ウソのコイビトになりました
「まじ!?じゃあ、朱里ちゃん捨てられたんだ」
うるさい…。
「あははぁ!ざまぁ!」
………うるさい…………。
「ホントウケる。友達に裏切られるとか」
「…………うるさい!!」
先輩たちの声に耐え切れなくなった私は、そう叫んだ。
すると、笑い声が消えて睨みつけるように「はぁ?」と言った。
だけど、そんな声に怯える余裕なんてなかった。
「もし、優夢が陽斗くんと付き合っていたとして、先輩方の立場は変わるんですか!?こんな卑怯なことしか出来ないくせに!!それで、別れたとしても陽斗くんが振り向くわけないでしょ!そんなこともわかんないなんてばっかじゃないの!?」
自分でも何を言ったか分からない。
ただの八つ当たりだった。
行き場のない気持ちを吐き出しただけだった。