ウソのコイビトになりました
「………はぁ!?ほんっとにムカつく!」
「やっばぁ。めっちゃイライラかもぉ」
「先輩にタメ。そして侮辱。どうなるか分かって言ったんだよね?」
「うっ……」
伊藤先輩は胸ぐらを掴んでそういうと、壁に向かって思いっきり突き飛ばした。
「私たちを怒らせた罰だから」
そう言うと私の視線に、上靴の裏が見えた。
いつもお腹を蹴る足が私の顔めがけてくる。
踏まれると思い、とっさに手で顔を覆い目を閉じた。