ウソのコイビトになりました
「だって、朱里ちゃん。運動も勉強も料理もできて完璧なんだもん。それで気取ってなくて、いつも私に優しくしてくれる。
だからそんな朱里ちゃんが好きだけど、羨ましかった」
そんなふうに思ってたんだ。
「そんな朱里ちゃんだから陽斗くんが好きになったのかな、って
……そう思ったら、苦しかった。」
その苦しみはきっと、私と同じ
「私だって陽斗くんを好きだから。中学の時からずっと。」
そう言うと、優夢は視線を落とした。
「朱里ちゃんの祝福なんて出来てなかった。そんなの上辺だけで本当は陽斗くんにこっち見て欲しいって思ってた。」
優夢が辛そうに話すのが伝わってくる。
「でも朱里ちゃんは大切な友達だから祝福しなきゃって……。この気持ちがバレないように光くんのことが好きだって嘘ついた」
やっぱり、嘘だったんだね。
私のために辛い嘘をついてくれてたんだね。