ウソのコイビトになりました



「朱里ちゃん、泣きすぎ!」


「優夢だって!」



そう言って、笑いあった私達はもう前とは違う。



「私達って偽善者だよね」



ひとしきり泣きあったあとに優夢が呟いた。



「そうだね、でもそれが普通なんだね」


「うん、私だけこんな最低なのかと思ってた。
でも、本当に悪いこと思わない人がいたらそのほうが怖いって分かった」


「あはは!確かに!
もしかすると、その悪いところをギリギリまでさらけ出せる相手が本当の親友なのかもね」


「じゃあ、私と朱里ちゃんは今日から本当の親友だね!」


「うん!」



本当の親友。
その言葉が本当に嬉しかった。



< 248 / 418 >

この作品をシェア

pagetop