ウソのコイビトになりました
だけど、私の気持ちは沈んでいく。
2人は完璧今も両思いじゃん。
私が入る隙間なんて……。
「何、暗い顔してるの?
もしかして、私達がまだ両思いで入る隙がないなんて思ってる?」
ギクッ…
「言っとくけど、陽斗くんは信用してる人にしか素を出さないからね?他の人には王子様演じてるんだから」
「それは私がゲームの対象だからじゃ」
「私はそうは思えないけどなー。悔しいけど朱里ちゃんのこと大切にしてると思うよ
だから、落ち込まない!これから、親友兼ライバルになるんだからね!そんなんじゃ陽斗くんは私が奪っちゃうよ?いいの?」
いたずらっ子みたいな笑みを見せて、そう言う。
「よ、よくない!」
「じゃ、お互い頑張ろ?偽善者同士」
私の答えに満足したように笑ってそう言った優夢が私に手を差し出す。
「うん!」
その手を私は手を掴んだ。
この握手はこれからライバルになる証。
そして、本当の親友になった証。
優夢の表情は、スッキリしていて今まで見たことのないくらい良い笑顔だった。