ウソのコイビトになりました
「君たち、なにやってんの?」
と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
あの日のように、威圧感のある低い声。
「…ひ、かるくん……。」
「警察、呼んだから。捕まりたくなきゃさっさと立ち去れ。お前らの連れは逃げたぞ」
その言葉に流石にヤバイと思ったのか、男たちは私を解放し走って逃げていった。
「大丈夫か!?……っ!!」
私の酷い格好を見て驚いた顔をすると、すぐに目を背け、着ていたジャージを渡してくれた。
「…これ、着てな?走ってたから汗臭いかもだけど」