ウソのコイビトになりました
「光くん、ごめんね。ありがとう。もう大丈夫」
すると、温もりが離れていった。
心配させないように必死に笑ってみせた。
「こんな時まで笑うな」
「え?」
「いつも笑顔でいるとこは朱里のいいとこだよ。だけど、こんな時まで無理すんなよ。俺が支えるから」
その言葉に胸が暖かくなった。
「ありがとう」
「おう。
………家帰れるか?もし、あれなら俺の家泊まってもいいけど」
「ううん。家に帰る。お遣いがあるから」
「そっか。じゃあ、行くか。立てるか」
頷いて立とうとするが、力が入らない。
「ほら、乗って」
それを見た光くんは私をおんぶしてくれた。