ウソのコイビトになりました



いつの間にか私は、こんなにも陽斗くんが好きだったんだ。



いつの間にか、頭を埋め尽くしていたのは陽斗くんだった。



私の気持ちをいつも大きく揺さぶるのは陽斗くんだった。



すると次第に視界がぼやけてくる。



涙で……?



いや、それだけじゃない。
まぶたがすごく重い。



まだ、寝ちゃダメ。公園に着くまで…。



そう思って1歩ずつ踏み出した足に力が入らなくなってくる。



フラッとしてやばいと思い、防護柵に手を伸ばそうとする。



しかし、手を伸ばした先には防護柵はなく、代わりに縁石があった。



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