ウソのコイビトになりました
涙で視界がぼやける中、陽斗くんが優しく微笑んだ気がした。
「よく寝てたな」
それを肯定するように、優しい声が聞こえた。
「俺、先生呼んでくるな」
そう言って、手から温もりが離れていき、陽斗くんは病室を出て行った。
1人になり、何で陽斗くんがいるのか疑問が浮かぶ。
生徒手帳ぐらいしか身元がわかるものがないのに、陽斗くんになぜ連絡がいったのだろう。
そして、なぜここに来たのだろう。