ウソのコイビトになりました
「ねぇ、もういいって!…っ!?」
荷物に手を伸ばして奪おうとすると、見事にかわされ逆に腕を掴まれた。
そして、学校とは逆の方向へ歩き始める。
「え、ちょ!離し…」
「いいから、黙ってついてこい」
やっと言葉を発したと思ったら相変わらず、ムカつくな!
だけど、ドキドキしてるのも事実なんだよね。
「な、なんで」
「退院したら話すって言ったろ」
「そんなのここでもいいでしょ!」
「…いいから来い」
何を言っても取り合ってくれそうにないので、私は黙ってついていった。