涙色花火
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*高校1年生 夏*
───ザザァ……ッ
ザザザ───ッ……
今日も、いつもの場所にやってきた。
学校帰りにこの海辺にくるのが、いつからあたりまえになっちゃったんだろう。
制服のまま砂浜に腰をおろして、ひざに顔をうずめる。
───『ねぇ、翔陽ちゃん。
みゆね、海青高校にいきたいの』
───『俺らまだ中1だぜ?きめんのはやくね?
ってか、みゆのことだからどうせ制服できめてんだろ?』
───『2年なんてあっというまだよ!
えーどうしてわかっちゃうの?あそこのセーラー服すーっごくかわいいんだもん。なっちゃんも言ってるし、ほかの子も言ってるもん!』
───『じゃあ俺もそこにしよーっと!家からいちばんちかいし、なによりみゆとはなれたくねぇーし』