涙色花火



いつかの、翔陽ちゃんとの会話を思いだす。


紺と白のセーラー服。


胸もとには、スカートとおなじ紺色のリボンのかたちをしたパータイをつける。


あこがれだった制服を、今年の春から着ている。


……だけど、


みゆのとなりに、大好きな翔陽ちゃんがいない。


瞳をとじたら、いつだってみゆは翔陽ちゃんを思いだすよ。






「……うぅっ……しょぉ、ちゃんっ……ヒック……」


学校おわりにここにきて、まいにち涙をながす。


「あいたいよぉ……っ」






みゆはあと何回、

翔陽ちゃんを想って泣くのかな。


< 11 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop