涙色花火
いつかの、翔陽ちゃんとの会話を思いだす。
紺と白のセーラー服。
胸もとには、スカートとおなじ紺色のリボンのかたちをしたパータイをつける。
あこがれだった制服を、今年の春から着ている。
……だけど、
みゆのとなりに、大好きな翔陽ちゃんがいない。
瞳をとじたら、いつだってみゆは翔陽ちゃんを思いだすよ。
「……うぅっ……しょぉ、ちゃんっ……ヒック……」
学校おわりにここにきて、まいにち涙をながす。
「あいたいよぉ……っ」
みゆはあと何回、
翔陽ちゃんを想って泣くのかな。