涙色花火
……っ……。
みあげるとそこには、満面の笑みでみゆをみおろしている翼くんの姿があった。
太陽のせいなのか、翼くんをみるのがまぶしかった。
「俺がただ、結優奈を好きなだけ」
───そう。
翼くんは、出会ったときからみゆを好きだと言ってくれる。
翔陽ちゃんのことはそのときにはなしていて、ごめんなさい、と1度ことわったのに、いまもストレートにきもちをぶつけてくれる。
「ほらっ!俺は大丈夫。
……だから結優奈、泣くな〜!」
翔陽ちゃんにあえないのがかなしくて涙がでてくるのか、翼くんのきもちにこたえられなくて泣いているのか、
どっちだかわかんなかった。
みゆの目の前でひざをついて、涙をぬぐってくれる。
それでも、涙はどんどんあふれてくる。
「……泣き虫結優奈っ」
翼くんのそのことばと同時に、ぎゅっとあたたかいものにつつまれる。