涙色花火
「今日、英語の小テストだよね?もう、どうしよう〜」
そう言いながら、だらん、とみゆの机にもたれかかるなっちゃん。
「みゆも英語にがてだからやだな……」
中学のときから、英語はにがてな教科のなかにはいる。
なっちゃんはそれをしってくれているから、いっしょにがんばろうねって、あたまをなでてくれる。
翼くんといい、みゆはあたまをなでられることが多い。
みゆはあたまをなでたくなるとかなんとか……。
んー、よくわかんない。
「あっ、神谷くんおはよー!」
なっちゃんの顔をみながらひとりそんなことをかんがえていると、なっちゃんの視線がみゆのななめうしろにいく。
「おはよう」
声がきこえると同時に、みゆのとなりの席のイスがひかれる。