涙色花火
「それにね、それにね!自分から女の子にはなしかけにいくのは結優奈だけなの!」
『奈月、すこしまえから神谷くんのこと観察してたからしってるよ』
なんて言いながら、みゆにおしえてくれる。
「奈月はいいと思うなぁ〜、神谷くんっ♪」
なっちゃんのことばに、胸がくるしくなる。
翼くんがいいひとなのは、すごくわかるよ。
でもね、みゆが翔陽ちゃんをうらぎったらだめなんだよ。
「なっちゃん、ごめんね……」
うつむいてそう言うと、なっちゃんはみゆがかんがえていることがわかったのか、みゆのあたまをなでてくれる。
「ううん、奈月こそごめん。結優奈のペースがあるもんね。あせらせちゃってごめんね」
……なっちゃん。
いつもみゆを見守ってくれて、ありがとう。