涙色花火
「おー、結優奈。まってたぞー」
あつめたプリントをかぞえながら、1ーAの担任の先生の夏葵先生、通称、なっちがみゆをみてこっちこっちと手まねきをする。
「小テストって言ってたのに、サボりやがって」
なっちはみゆのあたまをコツンとかるくたたく。
そして、「あっ、そうそう」なんて言いながらはなしをつづける。
「さっきの授業で席がえして、結優奈の席ここにしたから」
そう言って教卓の前の席をさす。
机の横にかけてあるスクールバッグは、たしかにみゆのだ。
「ここだと授業ききやすいだろ。結優奈ちっこいから、うしろにしたらみえねーし」
サラッと、みゆのきにしていることを言われた。
「となりに奈月がいるから、まぁ、いいだろ?」
そのことばに右どなりに目をむけると、プリントと格闘しているなっちゃんの姿が。
「奈月、英語はまぁまぁだけど、ほかの教科があやしーからな」
そのことばに、なっちゃんは顔をむくっとあげる。