涙色花火
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*中学2年生 8月4日*
『昨年の花火大会から、もう1年がたつんだぁ……』
扇風機にあたりながら、テーブルの上においてあるちいさなカレンダーを手にとる。
そして、部屋の壁にかけてある浴衣に目をむける。
じつはこの日がたのしみすぎて1週間まえからだしていたから、インテリアの一部みたいになっている。
昨年まではお祭りには私服でいっていた。
だけど、今年はちがう。
ママにおねがいをして、ショッピングモールで買ってもらった。
おなじマンションのとなりに住む、みゆの幼なじみの翔陽ちゃん。
なにをするにもいっしょの翔陽ちゃん。
だから、お祭りも毎年いっしょにいくのがあたりまえだった。