涙色花火
「きもちいいーっ!」
なっちゃんが、んーっとのびをする。
昨日とはちがって、真っ青な空。
太陽がまぶしくて、なかなか空をみあげられない。
目をつぶってきもちよさそうに太陽の光をあびるなっちゃんの横顔をみながら、みゆは口をひらく。
「なっちゃん、どうしたの?」
「ん?どうしたのって?」
なっちゃんの瞳が、みゆをうつす。
「サボろうなんてなっちゃんが言うの、なんだかめずらしいな……って」
みゆがそう言うと、なっちゃんはほほ笑んだ。
───そして……、
「なんでもひとりでかかえこまないこと」
そのことばに、なっちゃんにはかなわないなって思ったよ。
なっちゃんはずっと、みていてくれたんだね───。