涙色花火

「きづいたら、翼くんを目でおっているの……」


こわくて、うつむいてしまう。


みゆには翔陽ちゃんがいるのに、って思われるかな？


ひとりグルグル悩んでいると、なっちゃんが「結優奈」とよぶ。


顔あげて、と言われて、みゆはうつむいていた顔をおそるおそるあげる。


「っ……」


心配なんて、いらなかった。


なっちゃんはそんなことではなれていくひとなんかじゃないって、みゆがいちばんわかっていたはず。


目の前のなっちゃんは、みゆをつつみこんでくれるようなやさしいやさしい笑顔で、そっとほほ笑んでいた。


「はなしてくれて、ありがとう」


よしよし、とあたまをなでてくれる。


涙がポロポロとでてくる。


安心、したのかな……？


もう、泣かないの〜、なんて言いながら、なっちゃんはみゆの顔をのぞきこむ。