涙色花火
「翔陽ちゃんに怒られちゃうかな……」
みゆがボソッとそう言えば、
「そのときは、奈月が逆に翔陽くんを怒りかえしてあげる。『いつまで結優奈をまたせるんだー!』って!」
なっちゃんのそのことばに、泣きながら笑っているみゆはすごく変なひとだね。
「……なっちゃん。でもね、翼くんとつきあいたいとか、そういうのじゃないの……。
みゆ、最低だけど、もしいま翔陽ちゃんがもどってきたら、翼くんじゃなくて翔陽ちゃんをえらんじゃうと思うんだ……」
こんなことをきいたら、だれだってみゆのことを最低だと思う。
だけどなっちゃんは、
「結優奈、ちょっとずつだけど前にすすめたね」
ってよろこんでくれた。
「結優奈のペースでいいんだよ。まわりになにかを言われても、きにする必要なんてないからね。結優奈がだす答えを、奈月は全力で応援するから!」
うれしくて、うれしくて、なっちゃんの胸にとびこんだ。
「なっちゃん、ありがと。大好きっ!」