涙色花火
「あー、もう!」
みゆがボソボソ言っていると、翼くんが声をあげる。
「結優奈のせいじゃないって言ってるじゃん!」
「だって……、」
あたまをガシガシとかく翼くん。
「……じゃあさ、今日の放課後ふたりでどこかへいかない?」
「え?」
「俺がどれだえちがうって言っても、結優奈は自分のせいだって言いつづけるんでしょ?だったら、放課後俺につきあってよ!結優奈は俺のおねがいをきいたってことで、このはなしはこれでナシにしよ?」
だめかな?って言う翼くんに、みゆは首を横にふった。
「全然だめじゃないよ!」
みゆがそう言うと、翼くんは、よっしゃー!とよろこぶ。
おねがいって言ってたけど、こんなことでいいのかな?
だけど、目の前でガッツポーズをする翼くんをみると、みゆまでなんだかうれしくなった。
「じゃあ、放課後あけておいてね」
そう言って、翼くんは自分の席にもどっていった。
うしろ姿がすごくうれしそう。