涙色花火



ひざに顔をうずめながら、弱々しくそう言う結優奈。


いまにも消えてしまいそうで、

結優奈がどこかにいってしまいそうで、なんだかこわかった。






「……翔陽ちゃんはね、みゆのせいで死んじゃったんだ……」


み、ゆな……の、せい……?


どういうこと……?


「いちばんたいせつで大好きだったひとを、みゆが死なせちゃったのっ……」


結優奈は、うずめていた顔を目の前の海にうつして、すこしずつ……涙をこぼしながら俺にはなしてくれた。






──────…………


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