涙色花火



──────…………






みゆはメールを送ったあと、ひたすら翔陽ちゃんをまっていた。


わざと下駄をカランコロンと音を鳴らしてあそんでみたり、ケータイを鏡のかわりにして前髪をととのえてみたり。


だけどそのあいだも、翔陽ちゃんはこなかった。


ケータイをひらいて時間をたしかめると、もう19時になろうとしている。


みゆがはやくついちゃったのもあるけど、1時間以上はここでまっている。


翔陽ちゃん、どうしたのかな?


もしかして、わすれているのかな?


ううん、そんなはずないよね。


昨日も、翔陽ちゃんの部屋でお祭りのことをはなしたもん。


そんなことをかんがえていると、みゆのケータイが鳴る。






♪〜♪〜♪


みると、“ママ”の文字。


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