涙色花火



カランカラン……、


下駄の音が夏をかんじさせてくれて、なんだか心地いい。


となりどうしなんだから家からいっしょにいけばいいのに、カップルらしくまちあわせがしたいっていうみゆのわがままで、今年はべつべつに家をでた。


手をつないであるくカップルをみると、みゆと翔陽ちゃんを思いだしてふふっと笑えた。






───17時30分。


やっぱり、はやくつきすぎちゃったなぁ……。


ケータイの時間をたしかめると、18時までまだあと30分も時間がある。


この花火大会をほんとうにたのしみにしていたのが、自分でもわかっちゃう。


翔陽ちゃんも、たのしみにしてくれているかなぁ?


ここからすこしはなれたところにみえる海をみていると、なんだか翔陽ちゃんを思いだして、自然と笑顔になる。


< 7 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop