涙色花火
『結優奈!!!』
ママのおおきな声に、ビクッとする。
おそるおそるママの顔をみると、ママは泣いていた。
『結優奈、おねがいだからいっしょにきて……?陽子ちゃんものってるから』
ママのことばに車に視線をもどすと、助手席に翔陽ちゃんママがすわっていた。
『陽子ちゃん運転できる状態じゃないから、ママが運転するの。結優奈がのってくれないと、陽子ちゃん病院にいけないんだよ?』
……っ……。
なにも言えなくなる。
『ねぇ、結優奈。……いこう?』
ここで病院にむかったら、みとめたことになるじゃんっ。
だけどまだこどものみゆは、ママの言うとおりにすることしかできなかった。