涙色花火
「……翼くん……っ、ごめんねっ……。やっぱりみゆ、翔陽ちゃ「みゆちゃん……?」」
結優奈の声にまじって、すこしはなれたところからきこえてきた女のひとの声。
結優奈といっしょにふりかえると、肩につくかつかないかくらいの長さの茶髪の女のひとが、俺たちのすこしうしろに立っていた。
みたことのない女のひと。
だけど、となりにいる結優奈はちがった。
「……翔陽ちゃん、ママ……?」
……翔陽の、お母さん?
こっちにむかってあるいてくる翔陽のお母さんらしきひとを、結優奈とふたりでみつめる。
「ほんとに、翔陽ちゃんママなのっ……?」