涙色花火



「……翼くん……っ、ごめんねっ……。やっぱりみゆ、翔陽ちゃ「みゆちゃん……?」」


結優奈の声にまじって、すこしはなれたところからきこえてきた女のひとの声。


結優奈といっしょにふりかえると、肩につくかつかないかくらいの長さの茶髪の女のひとが、俺たちのすこしうしろに立っていた。


みたことのない女のひと。


だけど、となりにいる結優奈はちがった。









「……翔陽ちゃん、ママ……?」


……翔陽の、お母さん?


こっちにむかってあるいてくる翔陽のお母さんらしきひとを、結優奈とふたりでみつめる。


「ほんとに、翔陽ちゃんママなのっ……?」


< 83 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop