涙色花火
「やっぱり、みゆちゃんなのね……!」
そう言って、結優奈をぎゅーっとだきしめる。
「なんで……っ?……どうしてここにいるのっ?」
瞳に涙をためながら、翔陽のお母さんにといかける結優奈。
翔陽のお母さんは、結優奈の涙を自分のゆびでぬぐって口をひらく。
「こっちにね、もどってくることにしたんだ。やっぱりこの街が好きだし、なにより翔陽が生まれ育ったたいせつなところだから」
翔陽のお母さんは、翔陽が死んでからすぐにこの街からでていったそうだ。
この街にいると、嫌でも翔陽をさがしてしまう。
それ以来、結優奈とはあっていなかったそう。
翔陽のお母さんは、俺のほうへ視線をうつす。
「はじめまして。みゆちゃんのママのともだち?って言うのがいいのかな?」