涙色花火
そのまま翔陽のお母さんは、結優奈にニコッと笑う。
「みゆちゃん、彼氏はできた?」
そのことばに、結優奈は目をみひらく。
「っ、できるわけないよ……!だって、みゆには翔陽ちゃんがっ「みゆちゃん」」
翔陽のお母さんが、結優奈のことばをさえぎる。
そして……、
「前にすすもう」
結優奈の目線にあわせるようにかがんで、そう言ったんだ。
「みゆちゃんは生きてるんだよ。死んでしまった翔陽とはちがう」