俺様幼なじみはドキドキします
「ご馳走様でした。うまかった。」

そう言って笑った顔が
今まで以上に素敵に見える。

作った物を美味しく食べて貰えるっていうのは
やっぱり嬉しいんだなと思いつつ、

「いえいえ、たいしたものじゃなくて、ごめんね?翔ちゃん家帰った方がきっと美味しいものあったんじゃない?」

「だから、言ったろ。奈々と食べたいって。一緒に食えばなんだって上手いよ(笑)スープはそれ抜きでも美味かったし。」

また、だ。
翔ちゃんから言われる言葉に、その顔にドキドキする。

あ、これって……。
イケメンだからとかじゃなくて……

こんな、風にドキドキする理由は……

「私、翔ちゃんが好きなんだ(笑)」

「おまえ……」

「え、やだ!私、口に出しちゃった!?」

「奈々……」

「えっと、ごめん。」

「は?なんで?」

「いや?えっと、うーんっと。」

「意味わかんねーよ(笑)」

そう言って、私の前で楽しそうに笑う翔ちゃん。

あれ?
私、今、告白とかしちゃった事になるんだよね?

どーしよ。

返事とか、ちゃんと貰うべきなのかな?

そー思っていれば、

「どこ行く?」

「へ?」

「この後。」

「えっと?」

「だから、デート中だろ?俺達。このまま、奈々の部屋でももちろんいいけど(笑)」

「いや、あの?翔ちゃん?」

「とりあえずさっき離された手、結構ムカついたから、繋ぎ直して出掛けるか。」

そー言って差出された手は、
さっき繋いでいた手と同じく……ううん、それ以上に暖かい。

「翔ちゃん、もしかして、私の事、好きなの?」

「おまえな、どんだけばかなんだよ!」

あ、また怒られた。
でも、だって……。

「あ、ごめん、なさい。勘違い、ですね。」

「違くねーよ。こんだけしてたらわかるのが普通だろーが!」

「?」

繋がれた手が少しだけひっぱられて、
また耳元で、小声で。

「好きだ。」

「////」


ちょっぴり俺様な幼なじみの隣は、
これから、私をさらにドキドキさせるみたいです。

Fin
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