空を祈る紙ヒコーキ
たしかに空の外見は異性の目を引く。今まで見てきた男子に比べれば性格も悪くないのかもしれない。誰かと付き合ったこともあるんだろうしそのスペックならモテる自覚があったって何の不思議もない。
でも、だからってわざわざそんなこと言う? 自意識過剰なんじゃない? うぬぼれ過ぎでしょ。バカなの?
この気持ちをどう表現したらいいのか分からないけど楽しい気分ではないのはたしかだ。バカにされるよりある意味屈辱。
「心配しなくてもこっちはそういう願望全くないから。男に頼らず一生一人で生きてくつもりだから」
言葉に力がこもる。言った瞬間、ムカムカと嫌な感情が胸を圧迫した。ムカつく! なぜか悔しい!
それに、ほんの少しガッカリした。少しはいいヤツかもしれないと思ったのに。
結局コイツも今まで出会ってきた人達と変わらない、自分の都合で好きに動くヤツなんだ。
空の持つ穏やかで優しい空気にうっかりなじみそうになっていた数秒前の自分を思い出し、さらに腹が立った。
自意識過剰な約束(終)