空を祈る紙ヒコーキ
紙ヒコーキの記憶
好きなものがあれば人生は充実する。そんなの嘘だ。
詩を書いても、歌を歌っていても、日常生活で募る不満は全然消えない。ストレスという名の魔物は自分の根っこに絡みついて離れてはくれない。
中学生になってしばらく経つと、詩の創作や室内でのマイクなし一人カラオケから離れ、ネットで人の悪口を書くようになっていた。一番スッキリするし手っ取り早い方法。顔を見て言うわけではないので罪悪感もゼロ。嫌いな人を傷つけた直後は魔物がおとなしくなってくれる。
浮いているのか沈んでいるのか分からない心。
自分でもどこへ行ったらいいのか分からなくて、だけどここに留まっているのは嫌で、必死にもがき出口を探している。
行き先すら見えないのに、進めば今よりマシになる。根拠もないのにそう信じていたのはいつまでだったっけ……。