拗らせ女子に 王子様の口づけを
拗らせ女子の憂い

※ ※ ※


「で?どうだったのよデートは」

「デ、デ、デートって……。いやまぁそうなんだけどさ」

「でも三矢君も流石ね。『狙った獲物は逃がしません』とか掲げてほしいわ」

何のために!?
みのりがここまで楽しそうにしている理由が分からない。

「もうっ。みのりったら。からかわないで!」

「ふふっ。いいじゃない。初めてでしょ?野々宮先輩意外の男の子と出掛けるなんて」

「そうだけど……」

「で?どうだったのよ初・体・験」

語尾にハーとマークでも付きそうな勢いでみのりが声を甘くする。

「ちょっと、こんなところでバカなこと言わないでよ!」

誰かに聞かれなかったかキョロキョロ回りを見て縮こまる。

お盆休み最終日、みのりも私に予定を合わせて休みをとってくれており、お買い物をする予定で私達お気に入りのショップが多く入っているこのショッピングセンターに来ていた。

ちょうどランチの時間に待ち合わせ、前々から来てみたかったイタリアンのお店でレディースランチコースを頼み、先ずはお買い物よりも昨日の話ね、とみのりから興味津々で聞かれることになった。
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