拗らせ女子に 王子様の口づけを
「沙織、」
突然かけられた声に肩が不自然に上がる。
「奏ちゃん…………」
気まずくならないように笑わなきゃいけないのに、突然の事に動揺して思わず眉がよる。
駄目だって、奏ちゃんが気にしちゃう。
「沙織は……二次会行くのか?」
二次会?
「えっ、ど、どうしようかなって……」
奏ちゃんは行くんでしょ?
だったら……。
「俺は行かない。だから━━━」
「早川、帰りなら俺が送るから大丈夫だ。濱本主任、お前仲良かったもんな。もう少し居たいんだろ?」