拗らせ女子に 王子様の口づけを

送別会の日から10日ほど過ぎ、仕事は9月〆に向けて佳境に入る。
忙しい毎日に没頭して、仕事と言い訳して奏ちゃんのことを考えないようにした。

これからどうしたらいいのかは分かってる。だけど、心が付いていかなくて。
今までのように心を押し殺して何でもないような態度がもう取れなかった。

今までだってちゃんと傷付いてたんだ。

何回振られても、
新しい彼女を何度見掛けても。

それでも、妹としても側に居られることを選んで見ないようにしてきた私の心はもう限界だった。

まだもう少し。
もう少しだけ。

気持ちはもうどうしようもないけれど、奏ちゃんの前ではちゃんと妹になるから。


だから━━━━━━━━











< 151 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop