拗らせ女子に 王子様の口づけを

するりと来客用スペースに車を止めて、私に向き合うと頭を優しく撫でられた。

「うわっ、早川熱いぞ!泣くなって、熱が上がる」

「あ、うん。っ、で、でも止まんない」

「どうしたんだよ、急に」

「み、三矢、ごめん。私やっぱり奏ちゃんが好き。っ、ご、ごめ、ごめんなさい」

「っ、」

「うっ、うっ、わ、忘れようと思っても。っ、む、無理だった。っ、」

「、」

「ごめ、ごめんなさい。っ、」

「…………分かったから。とりあえず泣き止め」

「ふっ、ふぇ。っ、止まんない」



三矢が困った顔であたふたしているのが分かっても、
どうしたら涙がとまるのか、
私はどうしたらいいのか、
何も考えられなかった。



そして、そのまま私は意識を失った。


今思えば恥ずかしすぎるくらいパニックで。
熱に浮かされていたため、と許してもらいたい。
…………三矢には悪いことをした。





目が覚めたときにはみのりが居て、

何を言っても泣きながら謝り続けていた私はそのまま寝てしまい、部屋の鍵を鞄から取り出して部屋のベットに寝かせて、ポストに鍵を入れといたから。と、三矢から連絡をうけたとみのりから聞いた。




あぁぁぁぁぁぁぁぁ、何やってるのよ私。



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