拗らせ女子に 王子様の口づけを
拗らせ女子と奏ちゃんの誕生日


「奏ちゃん。今度のお休みの日曜日空いてる?」


5月も終わりに近づき、今度のお休みは奏輔の誕生日だ。
ここ数年の誕生日は、奏輔へ郵送していたが、今年は直接渡せるかもしれない。
きっと、たぶん、今奏輔には彼女はいないはずだ。みのりとの約束を破ることにはならない。

偶々会った昼休憩で、沙織は奏輔に問いかけた。
ランチを終え、休憩コーナーで一服している奏輔を見つけたのだ。周りには誰もおらず、こっそりと沙織は近づいた。

「日曜日?なんかあったか?」

「それを聞いてるのは私じゃない」

「クククッ、そうだったな」

軽く頭を撫でながら奏輔は予定を考える。

「たぶん、何もなかったと思うが?どうした?どっか行きたいところでもあったか?」

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