拗らせ女子に 王子様の口づけを
嬉しそうに目尻を下げて、奏ちゃんも照れ臭そうにしている。

「…………っ、そ、奏ちゃん。その顔ヤバイ。なんかムラムラする。可愛すぎる」

見慣れているはずなのに、破壊力抜群のその笑顔に見とれてしまった。

「ブッッ、、、」

と、飲んでいたお水を吹き出す奏輔。

「うわっ。奏ちゃん汚い。台無し」

「お待たせしましたーーーー」

ゲホゲホ噎せている奏ちゃんはほっといて、有難うございます、とパスタをうけとる。

「ちょっともう。大丈夫?子供みたいよ?ほら、食べよう」

「なっ、、、沙織が変なこと言うからだろうが」

「えーー私のせい?おじいちゃんはすぐ人のせいにする。あれ?お子ちゃまだったっけ?」

ケラケラ笑って誤魔化しながらパスタをクルクルした。

「はぁ。アホなことばっかり言うからだ。食べるぞ、映画見るんだろ?」

にっこり頷いた。

喜んでくれた。
ヤバイ。
私、変態かも。
奏ちゃんに抱きつきたい。
抱き締めてほしい。
その腕で引き寄せて、キスを………………

そこまで考えてボンッ!と顔が火を噴いた。
いやいやいやいや、ない。ないわ。
したこともないのに、ないわ。



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