拗らせ女子に 王子様の口づけを


駅について、車から降りようとしたとき奏ちゃんに頭を撫でられた。


「今日はありがとう。プレゼント、嬉しかったよ。沙織の誕生日、ちゃんと考えとけよ?」

「いいよー。私も楽しかった!誕生日、期待してるからね?覚悟しててね」


ニヤリ。
そう笑って見せて、じゃあね、と車から降りた。
発進する奏ちゃんの車が見えなくなるまで見送って、駅に向かう。
最後はちょっと残念だったけど、なんて楽しい1日だったんだろう。
胸の中から温かい気持ちが溢れて、自然と笑顔が漏れる。

ねぇ、奏ちゃん。
諦めることなんて出来そうにないよ。




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