拗らせ女子に 王子様の口づけを
自販機にもたれ掛かるように目を瞑る。
「ちょっとこっち向いてみ?ご飯は?食べてる?」
んっ?と、前に立つ私に目を向ける。
こりゃ駄目だ。
目が二重になってる。
奏ちゃんは疲れがピークにくると、普段スッとした一重の目が二重になる。
今までも、中学、高校の部活合宿や受験中に二重になっていたものだ。
そして、二重が続くと熱が出る。
「奏ちゃん大変!目が二重になってるよ。駄目じゃんお熱出ちゃうよ。今日は早くか帰って、明日朝少し早く来るようにしなさい!んで、明日お弁当作ってくるからきちんと食べること!」
「いやーーーでもまだ下から連絡くるまで帰れねぇのよ」
ふぁぁぁあ。
と、あくびをしながら目をパチパチ瞬きをする。
あぁ。可愛い。
こーゆうときの奏ちゃんは話し方もゆっくりとなって、可愛いんだから、堪んない。