拗らせ女子に 王子様の口づけを
今までは奏ちゃんの負担にならないように、遠慮してもう要らないと言われないように、値段もチープな、送りやすいものを選んできた。
しかも今回は昇進祝いと、銘打ってちょっと良いものも選んでみても良いんじゃないかとも思っていた。
「ねぇ、みのり。カフスってどう思う?」
「あらー渋いところ行ったわね」
「働く男って感じしない?」
「良いんじゃない?昇進祝いと兼ねてもそこまで高くもないし、野々宮先輩なら似合うと思う」
「でしょ!でしょ!仕事中、それをつけてくれてるところなんて見たら、私鼻血出るかも」
うわー。引くわー。
みのりは本気で思った。