拗らせ女子に 王子様の口づけを
「おはよーございまーす」


いつものフロア、
いつもの顔ぶれ、
でも今日からは、
きっと、今までと違う
キラキラした日々が待っている。


ポエムを心で読み、ご機嫌ににやけながら、朝の支度を始める。ふんふんふーん。コーヒーを落としながら鼻歌だって歌っちゃう。


「えらくご機嫌だな」

「あっ三矢、おっはよーコーヒーもう少しで出来るから後から取りにおいでー」

「なんだ?気色悪りぃ」

同期の三矢 守(みつやまもる)が悪態をつきながらコーヒーを取りに来た。
朝の支度の1つとしてコーヒーを作る。
配ること迄はしなくてもいいので、こうやって各自が給湯室へ取りに来る。


「今日はね、特別な日なの。三矢の暴言も聞き流せるわよ」


ふんふんふーん。
4月1日。
今日から奏ちゃんと一緒に居られる。


「はっ?お前大丈夫か?」


キーンコーン キーンコーン


「あっ、ほら朝礼始まる。今日は新入社員挨拶があるから全体朝礼だよ」


行こう?
三矢の肩を軽く叩き、給湯室横の階段を上がる。



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