Five seconds ー恋が始まる5秒前ー
「そうですか」
彼は驚きもせずに淡々と言った。
今日の天気は?と聞いて答えるみたいに。
微妙に感じた違和感。
同時にふと疑問に思う。
彼はじゃあどうやって食べたのだろうか、と。
「まあいいか」
考え出したらあらぬ方向に考えてしまうのが私の悪い癖だった。
頭を振って、気をとりなおす。
「じゃあ、お言葉に甘えていただきます」
「梓は本当によく食べますね」