ラッキー
彼はぐるぐると無意識のうちに体を回転させた。現代社会の最新型の遠心分離機は一分あたり何十万回転もするが、無論人の目では何回転しているかはわからない。ところが、自分の意志で体のコントロールできない彼に数えることことができた。
驚異的な数字だった、一秒当たり千二十四回も、あまりにも正確な数字だ。彼はもうすでに普通とは桁違いにかけ離れた生物となっていた。筋肉はたんぱく質で構成される筋肉繊維を束ねたものだ。その、彼の筋肉はたんぱく質で構成される筋肉繊維を束ねたものだ。
その、彼の筋肉はXウィルスにおかされて、ケロイドのようだ、ただし、ケロイドよりはとてつもなく硬い。ご存じのように自然界で一番硬い物資はだダイヤモンドで硬度表を参照すると、花こう岩は8、これに対しダイヤモンドは10だ。ケロイド状の筋肉いやもうすでに筋肉とは呼べないなとグルタミン酸回路にハッキリとした変異を確かめることが出来る。
だから、その体は異様に硬い。ここでしばし忘れていたことがある。脳には損傷がないの?これがもっとも厄介だ、自分の意志通りには全くと言っていいほど体を動かせない。五感だけがとても発達し、彼の昔の百万倍以上もの能力だ。彼は浮遊霊に疲れた感じで操られたまましか動けない。
つまり、こういうことだ。Xウィルスは知性を持っている。これから起こることはあまりに恐ろしい、覚悟を固めた人だけに読んでもらいたい。彼は遂に歩き出した、体が硬い分体重が重くなったせいか、彼の足はアスファルトで覆われている地面にめり込んだ。そこについたのは深さ10センチもの足跡だった。