2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Five --**



騒がしい店の中。


「「かんぱ〜い!」」

「かんぱい」


雪と雪の彼氏は、声をそろえて乾杯の音頭をとる。


ワタシも一応、うわの空ではありながら2人に合わせた。


「ねぇ、まだ来ないの?ヒデくんの友だち」


カクテルに一口口をつけると、雪は隣に座っている“ヒデ”というあだ名の彼氏に聞いた。


「うーん、もうそろそろだと……おっ、直貴〜!こっちこっち!」


ヒデが雪の問いかけに答えながら店の入り口を確かめると、微妙な笑顔の桃原直貴がこっちを見ていた。


「お〜、ヒデ!久しぶりじゃん!合コン以来?」


桃原直貴は、そう言いながらワタシたちが座っている席に歩いてくる。


そして、当たり前のようにワタシの隣にドカッと腰を下ろした。


――雪、あんたって人は……。


「雪、ワタシこの人が来るって聞いてない」

「ん?言わなかったっけ?」


雪は、ごまかすように舌をペロッと出した。


「……一言も聞いてない」
 

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