2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- Five --**



雪はワタシのことをトモダチ……ううん“友だち”だって胸を張って言ってくれる人だから。


「ちょっ……、栞ちゃんてば、ヒデくんの前で恥ずかしいよ」


頭を下げるワタシに、雪はアワアワとした様子でそう言った。


顔を上げると、お酒のせいじゃない真っ赤な顔で、雪ははにかんでいた。


「大丈夫っすよ、栞さん。俺は雪が好きっすから!」


真っ赤な顔ではにかむ雪の隣で、ヒデも同じくらい真っ赤になりながらワタシにそう言ってくれた。


――これでワタシはいつでも死ねる。


この時、ワタシはそう感じた。
雪を守ってあげてね、ヒデ。


ついさっき、ワタシはあの人の電話で崖の下へ突き落とされたはずなのに、不思議と今は崖の下にいても上を見上げていられる。


上れないくらい落ちてしまったけど、でもワタシはそんな気持ちになっていた。


「小峯栞さん、あんたは雪ちゃんの保護者じゃねぇだろ!」


桃原直貴のそんな言葉にも、自然と笑えるワタシがいた。
 

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