2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Five --**
クリスマス・12月25日。
4人でのささやかなクリスマスパーティーの会場――つまり合コンのときのあの店へ行く途中、俺は大きなツリーの下にいる小峯栞を見かけた。
雪ちゃんの提案で、俺は“サプライズゲスト”的な役回りになっていて、店に入るまでは外で小峯栞を見かけても声をかけないように言われていた。
少し離れたところを通りかかった俺は、久しぶりに見る生の小峯栞に足が止まってしまった。
向こうに気づかれてもいないのに俺の心臓は小峯栞を見ただけで踊るんだ。
その踊る心臓は、初恋のときに感じた響きだったと言ってもいいくらいだった。
俺だって23だしそれなりにつき合った人もいたけど、こんなにも踊る心臓を感じたのは、本当に初恋以来だ。
俺は、店に行くことも忘れて、思いっきり小峯栞にくぎ付けになっていた。
――これじゃあマジでストーカーじゃんよ、俺……。
そう思う冷静な自分はいたけど、でも俺は小峯栞から目が離せなかったんだ。