2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- other side Five --**
そこにバツが悪そうに立っている小峯栞を見て、たぶん雪ちゃんを待ってるんだろうなと思った。
距離があるから声は聞こえなかったけど、小峯栞は電話をしていたから。
だから俺は、雪ちゃんと電話をしているんだと思った。
でも、小峯栞は泣いた。
雪ちゃんと電話してるんなら泣くわけないよな?
俺の脳裏をよぎったのは、不倫相手のあの彼……。
急に胸が苦しくなって、目を向けていられなくて……。
もう一つ心臓があるみたいに、俺の心臓は違った音を立てて鼓動を刻んでいく。
小峯栞は、あの彼のことを結局は好きだったんじゃないか、今でも泣くほど好きなんじゃないか。
俺はジャケットのポケットに突っ込んだ、小峯栞へのクリスマスプレゼントを力いっぱい握った。
店に入るのが恥ずかしくて、何度も店の前を行ったり来たりしてやっと買えたプレゼント。
照れながらきれいな箱に入れてもらって、きれいに包装してもらったプレゼントを、俺は握りつぶした。