2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Five --**



――俺1人で舞い上がってバカみたいだ……。


自分の気持ちと相手の気持ちに温度差があるとき、どうしてこんなふうに思ってしまうんだろう。


まして片想いとなると、俺はこれだけ好きなのにどうして俺を見てくれないんだ。


そう思って、何も知らない、何の罪もない相手を傷つける行為に走ってしまう。


それは、態度だったり言葉だったり。


俺のことを好きじゃないならかまわないでくれ。


そんなふうに、どうして思ってしまうんだろう。


どうして俺という男は、こんな自分勝手なことしか考えられないんだろう。


相手だって……、小峯栞だって、目もある、耳もある、体も心もある、同じ人間なのに。


よく男たちはつき合っている女性を“もの”と例えるけど、俺はその考えが好きじゃなかった。


好きな人は好きな人、1人の人間として認めたいし相手にも認めてもらいたい。


そう思っていたのに、その瞬間、小峯栞を“もの”として考えていたことに気づかされた。
 

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