2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
**-- One --**
きっと合コンの“なった気カップル”たちは、パカパカとケータイのまね事をしているんだろう。
もしかしたら、雪とあのチャラチャラした男もそうしているかもしれない。
今の時間まで何も音沙汰がないのだから、うまくいったんだろう。
雪は彼氏がほしいと口を開くたびにそう言っていたから、願いが叶ったってことだ。
さんざん聞かされた前の彼氏の浮気癖の話。今夜、意気投合したあの彼にはそんな癖がないことをそっと祈っておこう。
ワタシは、残り少なくなっていた缶ビールの残りを飲み干して、早く酔いを回そうとした。
でも、軽くなった缶を持つ右手を見るたび、どんどん酔いが醒めていってしまう。
酔えない理由は、考えなくても明白だった。……あの男のせい。
床にはもう空になった缶が2本転がっている。
今飲み干したので3本目、冷蔵庫のストックはあと1本しかない。
ワタシは最後の1本に、今度こそ酔えますようにと変な願掛けをしてから冷蔵庫を開けた。