2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-
 
**-- other side Five --**



なんで俺の番号を知ってるんだ?とはたと考えたとき、ヒデに聞いたからだと納得がいった。


確認のためにヒデに電話したら、教えたって言われたから俺の読みは当たったってわけだ。


ただ読めなかったのは、その電話のときに初めて聞かされた“雪とつき合うことになった”だ。


俺は雪ちゃんからの電話のとき、彼氏がヒデだと思わずに“雪ちゃんでもいいかも?”なんて思ってたんだ。


雪ちゃんの言葉に一喜一憂したりあらぬことを考えていた自分がアホらしい。


しかも相手がヒデだったなんて。ヒデにも雪ちゃんにも内緒にしておくけど、なんだか無性に腹立たしい。


ヒデめ。
ヒデめ。
……アホな俺め!


いろいろと考えながら歩いていると、人って目的地を素通りしてしまうみたいだ。


ハッと我に返ると、集合する店を何十メートルも過ぎてしまっていた。


――チクショウ!俺のバカアホ!


だから店に入って3人を見つけたとき、俺は微妙な笑顔しかできなかったってわけだ。
 

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